コラムこれで完璧!生成AIおすすめ活用法4選&使いこなすコツ3つ

2024.4.112024.4.11

これで完璧!生成AIおすすめ活用法4選&使いこなすコツ3つ

生成AI
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2023年は、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化と普及が急速に進んだ1年でした。生成AIの手軽な利用が可能になり、多くの方がクリエイティブかつ、効率的な仕事が実現できるようになりました。その結果、生成AIを活用できる方と、そうでない方の間でアウトプットに大きな差が生じ、この差は今後もますます拡大すると予想されています。そこでこの記事では、生成AIを活用する方法を学びたいと考えている方に向け、日本ディープラーニング協会のE資格やG検定を保有する筆者が、生成AIの基本概念とその活用方法やテクニックについて、わかりやすくご紹介します。

生成AIとは

生成AIは、テキスト、画像、音声などを自動で生成する人工知能です。たとえば、あなたが「環境問題に関するブログを書いて」と指示すると、生成AIは、あなたの指示にしたがって環境問題にふさわしい見出しや文章を生成してくれます。

なぜ、生成AIはこのようなことができるのか?

生成AIの高い能力は、大量の学習データと高度なアルゴリズムの組み合わせによって実現しています。ChatGPTなどのテキスト生成AIは、インターネット上の膨大な文書を学習しており、特定のトピックに沿ったテキスト生成が可能です。また、ディープラーニングという機械学習の技術を使用することで、より自然でリアルなコンテンツの生成ができるようになります。さらに、生成AIの回答を人間が評価することで、より人間らしく、精度の高い文章を生成することが可能です。

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生成AIのおすすめの活用方法・4選

ここでは、実際のビジネスにおける生成AIの活用方法を4つご紹介します。これらを参考に、生成AIを活用するスキルを身につけていけば、自分の時間と労力を大幅に節約し、効率的でクリエイティブな仕事の進め方を実現できるでしょう。

1. 社内FAQ・顧客照会応答の自動化

自社の制度や商品に関する問い合わせ対応は、どの企業においても重要な業務のひとつです。従来、このような問い合わせ対応には、社員が直接対応する方法が一般的でした。企業によってはチャットボットを導入して自動化を実現している例もありますが、今後は生成AIを活用することでさらなる業務効率化が実現できます。具体的には、社内マニュアルや商品説明書、過去のFAQ履歴などの情報をデータベース化し、そのデータベースを生成AIに読み込ませることで、都度ルールを作成しなくても生成AIが自動で最適な回答を返すことができるのです。

これにより、社員は繰り返しの問い合わせ対応から解放され、より専門的な業務に集中できるようになり、お客さまの満足度向上にも寄与します。さらには、最新の情報を常にデータベースに反映させることで、回答の正確性も向上します。生成AIを活用した問い合わせ対応システムは、企業にとって業務効率化と顧客サービスの質の両方を高める有効な手段となるでしょう。

2. 会議・商談のテキスト化と要約

最近では、オンラインでの会議や商談も増え、内容を録音・録画するケースも多いかと思います。ただ、会議や商談のあとで録音を聴きながら、文字起こしすると膨大な時間と手間がかかります。このような負担に対して、生成AIの技術を活用することが有効です。音声データを生成AIに与えることによって、文字起こしを自動化でき、膨大な時間と手間を省くことができます。

さらには、文字起こししたテキストデータを基にして、会議内容の要約や分析を行なうこともできます。たとえば、議論の中で浮上した主要なポイントはなにかを把握することができますし、会議内容から次のアクションプランを提案してもらうことも可能です。

生成AIを活用すれば、単に情報を記録するだけではなく、その情報に基づいて具体的な次のステップを導き出すことができます。仕事の創造性を高めることにもつながるでしょう。

3. 企画書・契約書・稟議書などのビジネス文書の作成

企画書、契約書、稟議書など、ビジネスシーンで不可欠な文書の原案作成において、生成AIの技術は威力を発揮します。具体的には、生成AIにビジネステーマや課題を与えるだけで、必要な要素を抽出し、自動で草案を作成するといった形です。加えて、生成AIは一貫した表現やフレーズを適用してくれるので、文書全体の一貫性を保つことができます。

すると手作業による文書の改訂や、校正作業の時間と労力を節約することが可能になります。生成AIの利用は、単に作業の速度を上げるだけでなく、文書の品質や理解のしやすさも向上できるのです。このように、生成AIを活用すれば、ビジネス文書の作成プロセスにおけるスピードアップと品質向上を実現でき、企業の生産性向上に貢献してくれます。

4. プログラミングにおける活用

生成AIの進化により、プログラミングの領域でも変革が起こっています。中でも画期的なのは、プログラミング言語に不慣れな方でも、簡単に自分のアイデアをプログラムで実現できるようになったことでしょう。具体的には、日常使用する自然言語を使って、生成AIに「これを実現したい」と指示すれば、生成AIはその要求を理解し、適切なコードを返してくれます。

これにより、ビジネスの現場でよく使われているエクセルのマクロも簡単に書くことができます。また、生成AIは、既存のコードを解析したうえで、最適化の提案も行なってくれます。プログラマーでなくても、既存のコードの意味を理解しながら、プログラムの実行速度の向上やリソースの使用効率化を図ることができるのです。このように、生成AIを活用すれば、プログラミング作業の敷居を大きく下げると同時に、開発プロセス全体の高度化を実現できます。

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生成AIを使いこなすためのテクニック

ChatGPTのような対話型生成AIは、ユーザーの指示文に基づいて、コンテンツを作り出します。この指示文のことを「プロンプト」と呼び、この書き方によって、生成AIはまったく違う答えを返してきます。ここでは、対話型生成AIを使いこなすためのテクニックとして、有効な答えを引き出すためのプロンプトの書き方についてご紹介します。

役割と制約条件を与える

対話型生成AIは、入力された指示文に対して、多くの選択肢の中から確率的にもっともふさわしい回答を出力しようとします。生成AIに対して、回答にあたっての「役割」や出力にあたっての「制約条件」を指定することで、プロンプトの意図を汲み取り、より高い精度の回答を出力しようとするのです。これはNote株式会社CXOである深津貴之氏が考案したもので、深津式プロンプトとも呼ばれています。

例としては以下の通りです。

#役割 :あなたは{超人気ブロガーです}です。({}内に役割を記載します)
#制約条件:以下の制約条件にしたがい、「環境問題」をテーマにしたブログを書いてください。 
 ・各見出しとなる小項目は5つ。
 ・見出しごとの文章数は500字以内。
 ・重要なワードを取り残さない。
 ・文章は簡潔に

回答のレベルを指示する

対話型生成AIに対し「わからないこと」を聞くなど、AIを先生代わりに使うことがあると思います。この際には、プロンプトの中に「小学生にもわかるように」「高校生が理解できる内容で」といった回答のレベルを与えてみてください。さきほどの例と同じく、これも出力にあたっての「制約条件」のひとつになり、生成AIは、与えられたレベルに応じて適切な回答をしてくれます。これにより、難関な事象についても理解を進めることができるでしょう。

ステップバイステップで考えさせる

 生成AIに複雑なタスクや計算問題を解いてもらう際には、プロンプトの最後に「ステップバイステップで考えてください」と付け加えることをおすすめします。生成AIは、ステップごとに考えを進めるようになり、飛躍した結論や性急な回答が抑制されます。また、生成AIの思考プロセスが明確になり、その論理性や計算過程の妥当性を人間の目でチェックすることができるでしょう。

まとめ

生成AIは、急激なスピードで進化しています。私たちの暮らしやビジネスの中でも、インターネットと同じように、生成AIを利用するのが当たり前という時代が到来することは確実だと考えられるでしょう。こうした時代を生き抜くためには、早い段階から、生成AIの特性を知り、具体的な活用方法・テクニックを身につけていくことが大切です。苦手な仕事は生成AIに担ってもらい、人間は本当にやりたいことに集中できるようになるといいですね。

相川 延弘(あいかわ のぶひろ)
「わかりやすく」をモットーに、AI(人工知能)に関する最新トレンドや技術について情報発信しています。ChatGPTをはじめとするさまざまなAIサービスや大規模言語モデルの研究も行っています。日本ディープラーニング協会:E資格・G検定保有。金融アナリスト。